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知人のSZKさんのブログに、ネット掲示板のオーディオ趣味に関する質問に回答が殺到し、手のつけようのない事態になっている話がありました。(リンクでジャンプできます)
私も拝見しましたがとても全部読めません。そんな忍耐は私にはありませんが、質問を投稿した方も、果たして全ての回答を読んだか疑問です。 その質問とは、 「スピーカーを入手したいです。自作をすれば既製品を購入するより安く良いものができるんですか?」 のような話だと思いました。質問者の方はまっこと素直に投稿したように見えます。適切に回答した方もいたようですが、反応した回答者の多くは、質問者の気持ちそっちのけのオーディオおたく野郎の勝手な主張の場にすり替えたように見えます。 (全部読んでいないので大方の印象だけです ご容赦ください) おたく野郎と軽蔑するのは、一部の方が、オーディオ趣味など生活のほんの一部に過ぎないのにこれに没頭して、社会人としてバランス感覚を欠く態度に見えるからです。 回答を投稿した皆さんは、例えばこんな質問にはどう回答するでしょうか。 1.「上着が必要になりました。服飾自作すれば既製品を購入するより安く良いものができるんですか?」 2.「カレーライスが食べたいです。自炊すれば外食するより安くて美味しくできるんですか?」 3.「一戸建ての家が必要です。自分で設計、施工すれば建売の購入、注文建築より安くて良いものができるんですか?」 4.「絵を壁に飾りたいです。自分で絵を描けば誰かの絵を購入するより安くて良いものができるんですか?」 5.「自動車が必要です。自分で車を作ればメーカー品を購入するより安く良いものができるんですか?」 6.「音楽が聴きたいです。自分で演奏すれば他人の演奏を聴くより楽しく安上りですか?」 1.2.3.は、「衣」「食」「住」です。 4.はスピーカーやオーディオ機器に近い話です。 5.はほとんど荒唐無稽で、必要な予算も本人の能力も現実的ではありません。でも実行する人はいます。 6.これは実体のない物の例ですが、オーディオ以前の音楽の楽しみの本質を問う質問です。 はっきり知るべきは、世の中のいかなるものも、最初は自力でそれを開発、設計製作して、完成した人にのみそれを利用して恩恵を受けられるものだったということです。 エジソンやテスラ、からくり義衛門の話を思い出します。 お金を払えば買えるものというのは、自作する能力のない人にも、または予算、時間のない人にも量産効果で安く入手できるものです。 また、自力で作ることの楽しさはお金で買えないということ、趣味性には合理的値段がつけられないことを知るべきです。 楽しくない場合は趣味性はないので価格と出来栄え、性能だけの話になります。 もう一度先の質問を見ましょう。 「スピーカーを入手したいです。自作をすれば既製品を購入するより安く良いものができるんですか?」 1.~6.の質問に普通に回答を思いつくバランス感覚のある人なら正しい答えが見えると思います。 私の見解は書きません。なんで1~6の話を書いたかで分かっていただけると思います。 この掲示板を見て、最初腹が立ちましたが、次第にアホらしくなり笑ってしまい、しまいには悲しくなりました。 どんな文化でも没頭、努力して経験豊富な専門家になることは大切です。自分の好きな道で成功し、次世代のために働き、共有財産を豊かにする無償の努力は尊敬するべきことです。 しかし大変残念ながら、この分野で、少なくともこの掲示板に登場した一部の方々の発言と態度は、素直に質問をした方に対する回答と偽して自分達の勝手な論説発言の場に利用するもので削除されるべきです。 チームスポーツやグループでの活動は苦手なも人もいます。個人単独でしか趣味を楽しめない人も、何らかの成功体験、主張を発したいと思うこともあるでしょう。しかし土俵違いの場で、会話ベタだからと言って、一方的な論調でネットに書きまくるのはヒンシュクです。 少々自虐的ですが、オーディオはいくら追及しても文化のカテゴリとして存在感はありません。 オーディオ工学という学問はあるように見えても存在地盤を認められていません。 ヨーロッパ、特に北欧では「音響工学」の教育が若い理系の学生に履修科目としてあるようです。 がそれは、公演会場としてのホール内の音響設計が中心で、アンプやスピーカーなどの機器の内容に関することは僅かであるように聞きました。 エジソンが初めて出来上がった蓄音機で「メリーさんの羊」を歌ってから以後、そのような感動も進歩もありません。 自称オーディオ専門家、メーカーの有名人にノーベル賞や文化勲章が与えられたことはあるんでしょうか。これからもないでしょう。 それはこの分野の研究が世界人類の平和や文化の発展への貢献として認められていないということです。 「見た、聞いた」受け売り話だけでネット上で饒舌でも、「こんな失敗をした」話の出来ない人は何もしていないのでなんの功績も存在感もありません。そんな人たちの中から功労者が出現するはずもありません。 オーディオ趣味に対する偏見があること、それがなぜかを知っておくべきです。
by hiro-osawa
| 2016-10-25 02:59
| オーディオ
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Comments(1)
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